刺しゅう用の布は基本的にどんな布でも刺しゅうすることができますが、平織り(縦横の織り糸が均等に1本ずつ交差している)布が適しています。
刺しゅう用として売られている布以外でも、作品の用途や図案に合わせて素材を選ぶと良いでしょう。
フランス刺しゅうやカウントステッチ(布目を数えるステッチ)に向いている代表的な布を紹介します。
刺しゅう用の布について
手芸店で手に入りやすい布は、日本製ではコスモやオリンパス、外国製ではDMC(フランス)やツヴァイガルト(ドイツ)が有名です。
麻布は針が通りやすく、刺しゅうによく使われています。

フランス刺しゅう向き布
1インチは約2.54cmです。
目数(カウント)が多いほど目の詰んだ布になります。
フランス刺しゅうの布は、基本的に何でもOK。
薄地で平織りの麻布が刺しやすく、オススメです。ブロード地や厚すぎる生地、伸縮性のある生地、起毛の生地はあまり刺しゅうには向きません。
フランス刺しゅう(フリーステッチ向き)
目の詰んだ平織りの布
- クラッシー(コスモ・麻)
- デビライズ(麻)
- エミークロス(オリンパス・綿)
- リノ ファイブ(グラチアーノ・麻)
- シーチング(綿)
コットンクロス?
↓
フランス刺しゅう(目を数える刺しゅう向き)
目の粗い平織りの布
- ベルファースト
麻/1インチあたり32目=32カウント - カシェル
麻/1インチあたり28目=28カウント - ダブリン
麻/1インチあたり25目=25カウント
目数を数える刺しゅう向き
縦糸と横糸の太さが揃っている平織りの布
- ルガナ
面レーヨン混紡/1インチあたり25目=25カウント - コーク
麻/1インチあたり20目=20カウント - コングレス
縦糸、横糸が規則正しく織られた布。織り糸が太く目を数えやすい
木綿/1インチあたり20目=20カウント
目を数えて刺したツバメのポーチ
↓

私は、練習用と言うことで、安くて色数の多いシーチングを利用しています。
シーチングがなくなったら麻布とかを使ってみたいです。
私個人的な感想ですが、初心者さんなら麻布か綿麻の混紡が刺しやすいのでオススメ。
「かわいい刺しゅう」に付いてくる布も「麻布」か「綿麻の混紡」が多いような感じがします(材質の説明がないので、手触りと織りの感じで、そうかな?と)
綺麗に仕上がります。
シーチングは、刺しゅう糸がすぐに擦れてしまって、糸がボロッって感じになります。
綿なら薄手のものの方が、刺繍がしやすかったです。
クロスステッチ向きの布
布目を数えながら、糸をクロスさせ図面を埋めていくクロスステッチ。
カウントとは布目の大きさの単位のことで、1インチ約2.54cmに何本織り糸があるかを示しています。
カウントが大きくなると目が細かくなっていきます。
クロスステッチ向きの布
布目を数えて刺していくので、数えやすい穴があいているクロスステッチ専用の布があります。
- ジャバクロス
規則正しく格子状に並んだ穴に針を入れて、クロスステッチをするための布。目が細かいので数えやすく、初心者にも安心 - アイーダ
ジャバクロスとは織り方が異なる。好みで使い分ける - インディアンクロス
- コングレス
- 刺しゅう用リネン

私は、アイーダよりも、ジャバクロスの方が好きかな
アイーダ(のり付き)
↓
「かわいい刺しゅう」5号のキットの布
↑
この布、布が柔らかくて、布目も揃っていて、とっても縫いやすかったのだけれど、何の布なのかな?
25カウントの刺しゅう布だそうです
抜きキャンパス
布目が数えられない布に縫い付け、後で外すための枠状の布です
リボン刺しゅうの向きの布
リボン刺しゅうはいろいろな布に刺せますが、あまり薄い布や毛足の長いものには適しません。リボン刺しゅうの優雅さを引き立てるような布選びをしましょう。
リボン刺しゅうに向いている布
- シルクシャンタン
- 別珍
- 綿麻の混紡
- 麻
- モアレ
アップリケ刺しゅうのアップリケ用布
アップリケ部分には、コットン布とフェルトが使われることが多いです。
コットン布は、薄手で目の詰まったものがオススメ
- エイティスケアー
- キャンブリック
フェルトは、ウールなどの繊維を圧縮して作られたシート状のもの。厚さは1mm程度の薄手なタイプが刺しゅうしやすくオススメ。
ポリエステル素材で洗えるものや、アイロン接着できるもの、ラメの入ったものなど色や質感も様々
薄手のフェルトと言ったら「サンフェルト」だよね
フェルトのアップリケ
布のアップリケ
布の縦横・表裏について
- 作品の伸びを防ぐため、布は縦向きに使います。
- 買ったときに耳がついているものは、耳の方向が縦。
- 耳が付いていない場合は縦横に引っ張ってみて、伸びがない方が縦向きです。
- 無地の平織りの布に刺しゅうする場合は、表裏は特に気にしなくてもOKです。

図案を写すときの布目について
布は図案を移す前に霧を吹いてアイロンをかけ、布目を整えておく。
図案は、縦糸、横糸に沿って配置する
刺しゅうを始める前に「ほつれ止め」の始末をしよう
裁ち切りになっている布は、ほつれないように始末をします。
初心者さんは、布を持つのが慣れない上に、運針も慣れなくて、このほつれ止めも、四苦八苦。ええ、私のことです。
そこで、ほつれ止めは、印を付けてから巻きかがりをすると、比較的楽にできると思います。


初心者さんは、巻きかがりが綺麗にできると、次からの作業が楽しく進めますよ
いや、私だけですかね?
巻きかがり以外の「ほつれ止め」の仕方
私は、ジグザグミシンでほつれ止めはしたことないのですが、ミシンになれているのなら、ジグザグミシンは簡単で良いですよね。
私は、ミシンとリネンの相性がイマイチ自信がないため、ジグザグミシンは試していません。そのうち…
マスキングテープを利用する
マスキングテープを利用する方法もあるのですが、マスキングテープが剥がれてしまうと、ほつれが悪化するので注意が必要です
のりを利用する

小さな布なら、100均で売っている「ほつれ止め」や「ピケ」を利用しても良いです。
水で薄めたボンドでもOKです。
「ピケ」を利用している方は多いですよね。
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