刺しゅう用の布は基本的にどんな布でも刺しゅうすることができますが、平織り(縦横の織り糸が均等に1本ずつ交差している)布が適しています。
刺しゅう用として売られている布以外でも、作品の用途や図案に合わせて素材を選ぶと良いでしょう。
フランス刺しゅうやカウントステッチ(布目を数えるステッチ)に向いている代表的な布を紹介します。
刺しゅうに最適な布の選び方とおすすめの素材
刺しゅうは、独自のデザインや模様を作り出すための美しい手芸の一つです。しかし、刺しゅうを行う際には、適切な布を選ぶことが重要です。本記事では、刺しゅうに最適な布の選び方とおすすめの素材についてご紹介します。ぜひ参考にして、素敵な刺しゅう作品を作り上げてください。
刺しゅう用布の選び方
刺しゅう用布を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 密度と耐久性
刺しゅうは、繊細な糸を使ってデザインを描きます。そのため、布の繊維が密に詰まっていて、針が通りやすいことが重要です。また、耐久性がある布を選ぶことで、長く楽しむことができます。
- 色の鮮やかさ
刺しゅうは、美しい色合いを表現するための手法でもあります。布の色で、刺しゅうの色彩も際立ちます。お好みに合わせて、布の色を選んでみてください。
おすすめの刺しゅう用布の素材
刺しゅう用布には、さまざまな素材があります。
今回は用途別におすすめの素材をいくつかご紹介します。
フランス刺しゅうに適した布の特徴とおすすめ素材
フランス刺しゅうは、独特の美しさと緻密なステッチが特徴の刺しゅう技法です。フランス刺しゅうを行う際には、適切な布の選択が重要です。本記事では、フランス刺しゅうに適した布の特徴とおすすめの素材についてご紹介します。ぜひ参考にして、素敵なフランス刺しゅう作品を作り上げてください。
- 布の特徴と選び方
フランス刺しゅうに適した布を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 目数(カウント)
目数は布の目の密度を表します。目数が多いほど目の詰んだ布になります。フランス刺しゅうでは、細かなステッチが求められるため、目数の高い布が適しています。 - 織り方:
平織りの布がフランス刺しゅうに適しています。薄地であることもポイントです。ブロード地や厚すぎる生地、伸縮性のある生地、起毛の生地は刺しゅうには向きませんので注意しましょう。
- おすすめのフランス刺しゅう向き布
以下に、フランス刺しゅうに適した布の一部をご紹介します。これらの布は手芸店やオンラインショップで手に入れることができます。
- クラッシー(コスモ・麻)
細かな目数と平織りの麻布が特徴で、フランス刺しゅうに最適です。しなやかな風合いとしっかりとした質感が魅力です。 - デビライズ(麻)
目数の高い麻布でありながら、柔らかな肌触りが特徴です。フランス刺しゅうに適した素材でありながら、快適な刺しゅう作業が可能です。 - エミークロス(オリンパス・綿)
目数の高い綿布であり、フランス刺しゅうに適した素材です。鮮やかな色合いと滑らかな表面が刺しゅう作品を引き立てます。 - リノ ファイブ(グラチアーノ・麻)
フランス刺しゅう向きの高品質な麻布です。目数の詰まった平織りでありながら、しなやかで柔らかい風合いがあります。上品な刺しゅう作品を作りたい方におすすめです。 - シーチング(綿)
フランス刺しゅうに適した綿布の一つです。目数が多く密度が高いため、細かなステッチが可能です。しっかりとした質感と耐久性があり、長く楽しむことができます。
目を数える刺しゅうに適した布の特徴とおすすめ素材
目を数えながら刺す刺しゅう技法では、適切な布の選択が重要です。本記事では、目を数える刺しゅうに最適な布の特徴とおすすめの素材についてご紹介します。ぜひ参考にして、美しい刺しゅう作品を作り上げてください。
- 目を数える刺しゅう向き布の特徴: 目を数える刺しゅうでは、目の粗い平織りの布が適しています。以下に、目を数える刺しゅう向き布の特徴をご紹介します。
- 目数(カウント): 目数は布の目の密度を表し、1インチあたりの目の数で表記されます。目数が少ないほど目の粗い布になります。目を数えながら刺すため、目数の高い布が使いやすくなります。
- 平織りの布: 目を数える刺しゅうでは、平織りの布が使われることが多いです。縦糸と横糸が均等に織り込まれているため、目を数えやすくなります。
- おすすめの目を数える刺しゅう向き布: 以下に、目を数える刺しゅうに適した布の一部をご紹介します。これらの布は、手芸店やオンラインショップで入手できます。
- ベルファースト: 麻の平織り布で、1インチあたり32目=32カウントと目数が高いため、目を数えながら刺しゅうしやすい特徴があります。
- カシェル: 麻の平織り布で、1インチあたり28目=28カウントと目数が適度に細かいです。刺しゅう作業がしやすく、緻密なステッチを施せます。
- ダブリン: 麻の平織り布で、1インチあたり25目=25カウントと目数がやや粗めです。目を数えながら刺すのに適した布です。
- ルガナ: 面レーヨン混紡の平織り布で、1インチあたり25目=25カウントと目数が均等です。しなやかな風合いと目を数えやすさが魅力です。
- コーク: 麻の平織り布で、1インチあたり20目=20カウントと目数がやや粗めです。目を数える作業がしやすく、刺しゅうのデザインが目立ちます。
- コングレス: 木綿の布で、縦糸と横糸が規則正しく織られている平織り布です。織り糸が太く目を数えやすい特徴があります。1インチあたり20目=20カウントの目数があります。
これらの布は、目を数える刺しゅうに適した素材としておすすめです。
私は、練習用と言うことで、安くて色数の多いシーチングを利用しています。
シーチングがなくなったら麻布とかを使ってみたいです。
私個人的な感想ですが、初心者さんなら麻布か綿麻の混紡が刺しやすいのでオススメ。
「かわいい刺しゅう」に付いてくる布も「麻布」か「綿麻の混紡」が多いような感じがします(材質の説明がないので、手触りと織りの感じで、そうかな?と)
綺麗に仕上がります。
シーチングは、刺しゅう糸がすぐに擦れてしまって、糸がボロッって感じになります。
綿なら薄手のものの方が、刺繍がしやすかったです。
クロスステッチに最適な布の選び方とおすすめ素材
クロスステッチは、布目を数えながら糸を交差させて図案を表現する手法です。クロスステッチを行う際には、適切な布を選ぶことが重要です。本記事では、クロスステッチに最適な布の選び方とおすすめの素材についてご紹介します。ぜひ参考にして、素敵なクロスステッチ作品を作り上げてください。
クロスステッチ向き布の特徴
クロスステッチ向きの布は、布目の特徴や数えやすさがポイントです。以下に、クロスステッチ向き布の特徴をご紹介します。
- カウント
カウントは布目の大きさを示す単位で、1インチに何本の織り糸があるかを表します。カウントが大きくなると目が細かくなり、詳細なデザインや細密な刺しゅうが可能となります。
- 穴のあいた布
クロスステッチ専用の布は、規則正しく穴があいている特徴があります。これにより、布目を数えながら糸を通す作業がしやすくなります。
おすすめのクロスステッチ向き布
以下に、クロスステッチに適した布の一部をご紹介します。これらの布は、手芸店やオンラインショップで手に入れることができます。
- ジャバクロス
規則正しく格子状に並んだ穴が特徴のクロスステッチ専用の布です。目が細かく数えやすいため、初心者にもおすすめです。 - アイーダ
ジャバクロスとは織り方が異なり、網目状の穴があいている布です。クロスステッチの幅広いスタイルに対応しやすく、好みに応じて使い分けることができます。 - インディアンクロス
クロスステッチ向きの布で、細かな目数と穴があいた織り目が特徴です。細密なデザインに挑戦したい方におすすめです。 - コングレス
織り糸が太く規則正しく織られた布で、クロスステッチに適した素材です。目を数えながらの刺しゅう作業がしやすく、クロスステッチのデザインが鮮明に映えます。 - 刺しゅう用リネン
刺しゅうにおいても、リネン素材は優れた選択肢です。リネンは美しい風合いと耐久性を兼ね備えており、クロスステッチ作品に上品な雰囲気を与えます。カウントの異なるリネン布が豊富に存在し、デザインに合わせて選ぶことができます。
これらの布は、クロスステッチ作品を作る際におすすめの素材です。手芸店やオンラインショップで入手可能なので、自分の好みやプロジェクトの要件に応じて選んでみてください。
私は、アイーダよりも、ジャバクロスの方が好きかな
100均のクロスステッチ用布
100均でもクロスステッチ用布が売っています。カウント数が小さいので、繊細なデザインには不向きですが、コースターや刺し子などに便利です。
「かわいい刺しゅう」5号のキットの布
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この布、布が柔らかくて、布目も揃っていて、とっても縫いやすかったのだけれど、何の布なのかな?25カウントの刺しゅう布だそうです
抜きキャンパス
布目が数えられない布に縫い付け、後で外すための枠状の布です
リボン刺しゅうに最適な布の選び方とおすすめ素材
リボン刺しゅうは、繊細で優雅な手法であり、適切な布の選択が重要です。本記事では、リボン刺しゅうに最適な布の選び方とおすすめの素材についてご紹介します。ぜひ参考にして、美しいリボン刺しゅう作品を作り上げてください。
リボン刺しゅう向き布の特徴
リボン刺しゅうに適した布は、その繊細さや優雅さを引き立てる素材を選ぶことが重要です。以下に、リボン刺しゅう向き布の特徴をご紹介します。
- 適度な厚み
リボン刺しゅうには、適度な厚みが必要です。あまり薄い布では、リボンの美しさや立体感が表現しづらくなります。また、毛足の長い布もリボンの糸が引っかかってしまい、スムーズな刺しゅうが難しくなります。 - 柔らかな風合い
リボン刺しゅうは、柔らかな風合いを持つ布が好まれます。素材の柔らかさが、リボンの立体感や繊細な表現を引き立てます。
おすすめのリボン刺しゅう向き布
以下に、リボン刺しゅうに適した布の一部をご紹介します。これらの布は、手芸店やオンラインショップで手に入れることができます。
- シルクシャンタン
シルクシャンタンは、リボン刺しゅうに最適な素材の一つです。滑らかで光沢感のある表面が特徴で、リボンの繊細さと華やかさを引き立てます。 - 別珍
別珍は、綿と麻を混紡した布で、リボン刺しゅうに適した素材です。柔らかな風合いと程よい厚みがあり、リボンの刺しゅうが美しく映えます。 - 綿麻の混紡
綿麻の混紡布もリボン刺しゅうに適しています。綿の柔らかさと麻の風合いが組み合わさり、上品で自然な雰囲気を持つ布です。リボンの刺しゅうが美しく映えるでしょう。 - 麻
麻素材はリボン刺しゅうによく使われる素材の一つです。麻の特有の質感とシャープな風合いが、リボン刺しゅうの繊細さを引き立てます。刺しやすく、上品な仕上がりを実現できます。 - モアレ
モアレは光沢感と繊細な模様が特徴の布で、リボン刺しゅうに素敵な効果を与えます。光の当たり方によって表情が変わるので、リボンの光沢を活かした刺しゅう作品が楽しめます。
これらの布は、リボン刺しゅうに適した素材としておすすめです。自然な風合いや柔らかさ、光沢感がリボンの美しさを引き立て、エレガントな刺しゅう作品を作り上げることができます。
アップリケ刺しゅうに適した布の選び方とおすすめ素材
アップリケ刺しゅうでは、アップリケ部分に適した布の選択が重要です。本記事では、アップリケ刺しゅうに最適な布の選び方とおすすめの素材についてご紹介します。アップリケの魅力を引き立てる素敵な作品を作り上げましょう。
アップリケ刺しゅう向き布の特徴
アップリケ刺しゅうでは、アップリケ部分に適した布を選ぶことが重要です。以下に、アップリケ刺しゅう向き布の特徴をご紹介します。
- コットン布
アップリケ刺しゅうでは、コットン布がよく使われます。コットン布は薄手で目の詰まったものがオススメです。目の詰まった布はアップリケの縫い付けがしやすく、美しい仕上がりを実現できます。 - フェルト
アップリケの一部にはフェルトが使われることがあります。フェルトは柔らかくて厚みがあり、アップリケに立体感やポップな雰囲気を与えることができます。
おすすめのアップリケ刺しゅう向き布
以下に、アップリケ刺しゅうに適した布の一部をご紹介します。これらの布は、手芸店やオンラインショップで手に入れることができます。
- エイティスケアー
目の詰まったコットン布で、アップリケに適した素材です。薄手でありながらしっかりとした質感があり、刺しゅう作業がしやすい特徴があります。 - キャンブリック
コットン布の一種で、目の詰まった織り方が特徴です。アップリケに適した薄手の布でありながら、しっかりとした強度を持っています。
これらの布は、アップリケ刺しゅうに適した素材としておすすめです。コットン布の目の詰まりやフェルトの柔らかさを活かし、アップリケ作品に独自の個性と魅力を与えることができます。
フェルトは、ウールなどの繊維を圧縮して作られたシート状のもの。厚さは1mm程度の薄手なタイプが刺しゅうしやすくオススメ。
ポリエステル素材で洗えるものや、アイロン接着できるもの、ラメの入ったものなど色や質感も様々です。
薄手のフェルトと言ったら「サンフェルト」
布の縦横と表裏の理解と使い方
刺しゅう作品を作る際には、布の縦横と表裏について理解することが重要です。本記事では、布の縦横方向の使い方と表裏について説明します。正しい使い方を知ることで、作品の完成度を高めましょう。
布の縦向きの使い方
刺しゅう作品では、布を縦向きに使うことが一般的です。これは作品の伸びを防ぐためです。布を縦向きに使用することで、糸の緊張やずれを抑えることができます
- 耳の方向
布を購入した際に、耳(セルビッチ)がついている場合、耳の方向が縦向きです。耳を基準にして布を使うことで、縦方向の確認がしやすくなります。 - 耳のない場合
耳が付いていない布の場合は、縦横に引っ張ってみて伸びがない方が縦向きです。伸びの少ない方向が縦方向となります。
無地の平織り布の表裏について
無地の平織りの布に刺しゅうする場合、特に表裏を気にする必要はありません。平織りの場合、表裏に大きな違いはなく、どちらの面でも刺しゅうが行えます。
刺しゅうのデザインや目立たせたい部分によって、表裏を使い分けることも可能です。しかし、無地の平織りの布では特に厳密な裏表の区別は必要ありません。
図案を写すときの布目について
布は図案を移す前に霧を吹いてアイロンをかけ、布目を整えておく。
図案は、縦糸、横糸に沿って配置する
刺しゅうを始める前に「ほつれ止め」の始末をしよう
裁ち切りになっている布は、ほつれないように始末をします。
初心者さんは、布を持つのが慣れない上に、運針も慣れなくて、このほつれ止めも、四苦八苦。ええ、私のことです。
そこで、ほつれ止めは、印を付けてから巻きかがりをすると、比較的楽にできると思います。
初心者さんは、巻きかがりが綺麗にできると、次からの作業が楽しく進めますよ
いや、私だけですかね?
巻きかがり以外の「ほつれ止め」の仕方
私は、ジグザグミシンでほつれ止めはしたことないのですが、ミシンになれているのなら、ジグザグミシンは簡単で良いですよね。
私は、ミシンとリネンの相性がイマイチ自信がないため、ジグザグミシンは試していません。そのうち…
マスキングテープを利用する
マスキングテープを利用する方法もあるのですが、マスキングテープが剥がれてしまうと、ほつれが悪化するので注意が必要です
のりを利用する
小さな布なら、100均で売っている「ほつれ止め」や「ピケ」を利用しても良いです。
水で薄めたボンドでもOKです。
「ピケ」を利用している方は多いですよね。
まとめ
刺しゅう作品を作る際には、適切な布の選択と使い方が重要です。
アップリケ刺しゅうにはコットン布やフェルトが適しており、リボン刺しゅうにはシルクシャンタンや麻がおすすめです。クロスステッチには目の詰まった布や穴のあいた布が適しており、刺しゅう用リネンも人気です。
また、布の縦向きに使うことで作品の伸びを防ぎ、正しい方向で刺しゅうを進めることができます。無地の平織りの布においては、特に表裏を気にする必要はありません。
最終的には自分の好みや作品の要件に合わせて布を選び、美しい刺しゅう作品を作り上げましょう。正しい布の選択と使い方によって、刺しゅう作品の品質と完成度が向上します。是非、これらの情報を参考に、楽しく創造的な刺しゅうの世界をお楽しみください。
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